①設立期
ざっと見て気になるのは2006年の設立早々から、
アワーリカーやセルバといった会社を吸収していることです。
また、現在もお膝元の徳島で続いている
”ウミガメの保護活動”も設立年からスタートしています。
こういった外向きの動き出しが早いことから、
会社基盤が当初からしっかりしていたことが想像できます。
おそらく、徳島有数の企業ノヴィルからスピンアウトしたことが背景にあるのでしょう。
ウミガメの保護活動からは、企業の社会的責任(CSR)への意識が高いことが伺えますね。
外部関係者向けの形だけのポーズという見方もできるかもしれませんが、
約10年継続して活動していることは、
たとえ偽善であってもなかなかできる事ではないでしょう。
(2008年キリンと共同でウミガメ保護寄付。左から2番目が久岡社長)
②ナカイ買収&吸収期
セルバを吸収合併した年の翌々年、
業績不調に苦しむナカイをTOBで買収後完全子会社化。
ちなみに(有)いーかな はナカイの関連子会社です。
また、完全子会社から3年かけて、吸収合併しているのですが、
その過程でちょっと気になる事項が。
2010年に
アクサスの一部事業をACデコール(旧ナカイ)に事業承継
させているんですね。
この承継させた事業には「アレックスコンフォート」などわりと看板事業も含まれているのですが、
最終的に吸収合併して一緒の会社になるにも関わらず、
なぜこんな面倒臭いことをしたのか謎です。
③雑貨屋ブルドッグ買収期
ACデコール(旧ナカイ)の吸収合併が完了した後、
アクサスは雑貨屋ブルドッグ買収に動き出します。
株の譲渡は2013年5月ですが、
注目すべきは前年に決算期を3月⇒8月に変更しているという動きです。
2012年における両者の売上高は
・アクサス ・・・157.5億(3月決算)
・雑貨屋ブルドッグ・・・112.6億(8月決算)
売上規模も大きく、
上場しているブルドッグに決算月を合わせたほうが、
経理処理的にも合理的と判断。
子会社化する前に変更したのではないか?
と私は考えています。
また、裏を返せば、
2012年時点で雑貨屋ブルドッグの株を、
アクサスが取得することは決定されていたということになります。
さらに突っ込んで考えると、
ブルドッグ側では2011年、
”通年赤字予想が、一転黒字&復配”
という業績予想修正発表がありました。
(参考記事⇒【永久保存版】粉飾決算の真犯人は誰か?歴史年表を作ってみた。)
2011年、当時の会長 N山氏は前年大幅赤字結果を受け、
所有株の譲渡を検討。譲渡先を探し始めた。
できるだけ高い価格で譲渡したいがために黒字に粉飾した。
と考えればすべてが繋がるような気がするのは考え過ぎでしょうか?
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Author:ピーターミンチ
ピーターリンチ・本多静六に憧れる個人投資家です。
大学時代、みなが使っていた雑貨屋ブルドッグ。
そのブルドッグが実は上場企業で、ズタボロの状態になっていた事に興味を持ち、株主に。実地調査を織り交ぜながら研究します。
2014/12/05
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アクサスでは約38億の販管費が約33億に一気に減少・・・小売業でここまで販管費を減らすには、1割近い店舗閉鎖とリストラが不可欠です。小売の場合は家賃・人件費・その他がそれぞれ3分の1ぐらい。家賃・人件費を削ることは通常は難しく、その他の部分で削れるのは広告費ぐらい。
売上がそれほど減っていないことから、大幅な店舗閉鎖を伴うリストラはなかったと思われます。
一方、ブルドッグでは70名近い、何に従事しているかわからない人材の発生、アクサスからの出向約20名受入・・・90人あたりの年間給与は大体3-5億円。教育と称したタダ働き人員の獲得、出向者が両社の事務作業を兼務すれば、人件費負担を大幅に減らすことができるでしょう。
ブルドッグの業績悪化もあわせて考えれば、一連の動きのカラクリが見えてきたような気がします。