先週の1/14に雑貨屋ブルドッグ1Q決算が発表されました。
この決算短信をどのように受け止めれば良いのか、私なりに考えてみたいと思います。
http://3331bulldog.blog.fc2.com/blog-entry-38.htmlH27年第1四半期決算を考える。
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発表当日のチャートは、好決算?という思惑が働いたのか、
ものすごい出来高とともに高騰!(そして着地笑)

しかし蓋を開けてみれば・・・私個人的には非常に残念な決算でした。
では個別の内容について見ていきましょう。
【損益計算書】①売上高874百万円・・・私個人として達成最低ラインと考えていた10億円を大きく割り込みました。
下記は店舗数が比較的安定していたH24年度の雑貨屋ブルドッグ四半期別売上高推移です。
【参考】 H23年8月末:223店 ⇒ H24年8月末:219店
(出典:有価証券報告書より作成/赤字は通期に占める割合)第1四半期の売上高871百万円を、
23.3%で割り戻してやれば、
通期の売上予測がザクッとできるわけですが、
上記シュミレーションを行うと
871 ÷ 0,233 =
3,738百万円年間の会社予測
6,316百万円と大きく乖離があり、
この水準が今後も続くとすれば
非常に危険ということが分かります。
しかし唯一明るい材料なのは
1店舗当たりの売上高が回復基調にあるということ。
具体的には
通期予想売上3,738百万円を店舗数57 (2015/1/19現在)で割ると約6,600万円/年
H25年の1店舗あたりの売上高が約4,400万円/年
より
旧経営陣時代の
1.5倍のパフォーマンスを発揮しているということになります。
このペースで売上の伸長が続けば、期待が持てそうです。
②売上総利益285百万円・・・
売上原価:589 / 売上高:874 = 原価比率
67.4%は、今まで50%前後だった水準よりも上昇しています。
単純に考えれば仕入商品の価格上昇ということになりますが、
ブルドッグ事業やザナード事業で頻繁に半額セールを実施していることから、
値引販売による売上単価の減少が原価率を引き上げていると私は考えています。

出典:
ザナード ウインターセール(2015/1/3~)③営業損失△425・・・売上総利益はプラスになっていますが、
販売費及び一般管理費
711百万円が大きな負担となり、
約4億円のマイナスとなってしまいました。
つまり本業で稼ぎ切れていない状況です。
この販管費の内訳がきになるところ。
1Q決算では明記されていませんが、過去の通年版に記載があります。
ということでH25-26の内訳 & H27_1Q実績を元に今季H27年の予想を算出してみました。
(出典:各年有報から作成/クリックすると拡大します)また、主要費目に集約して分かりやすく比率ベースにしたものが下記グラフです。
(出典:各年有報から作成/クリックすると拡大します)店舗数を197⇒60まで絞り込んだ効果が通年で発揮される事により、
”賃借料”・”水道光熱費”が大幅に削減できる一方、
”給料及び手当”は店舗数に比例して削減するわけにはいきませんので
削減幅は小さくなり、結果販管費全体に占める割合が約5割に上昇しています。
では”給料及び手当”が多いのかというと、
・これまで無理なワンオペで運営しており人出が不足していた
・本社社員 H25年40人⇒H26年19人へスリム化
していることから、多すぎるわけではないと私は考えています。
噂では
交通費支給も抑えられているらしいですから、
ほんとギリギリ切り詰めている状況なのでしょう。
これ以上の削減はモチベーションに関わりますから下げる余地はないでしょう。
上記により、1Qの販売管理費711百万円はギリギリ切り詰めた結果数値であると思います。
【貸借対照表】現金が2,521百万円⇒1,831百万円と約7億円も減少しています。
販売管理費も約7億ですが、この運転資金に消えたのでしょうか?
純資産も1,613百万円⇒1,156百万円と約4.6億のマイナス。
このままのペースだと今期8月決算を迎える頃には、自己資本がゼロになってしまう勢いです。
これはさすがに心配になってきた・・・。
【1.当四半期決算に関する定性的情報】(1)経営成績に関する説明当社は、主力であるブルドッグ事業を中心に販売価格帯を調整し、顧客数の増加を図ってまいりましたが、消費支出の想定以上の冷え込みの影響により、大幅な売上増加にはいたりませんでした。
引き続き、各事業の販売強化を実施していくとともに、一層の経費削減を推進してまいります。
想定以上という言葉が重要なキーワードです。
アクサスもまさかこんなに数値が悪くなるとは思っていなかったという事を、
この言葉が物語っていると思います。
(3)業績予想などの将来予測情報に関する説明業績予想につきましては、平成26年10月15日付、「平成26年8月期決算短信」で公表いたしました第2四半期累計期間および通期の業績予想から変更はありません。
なお、当社の売上高は、クリスマス・年末年始を迎える第2四半期会計期間に需要が高まるため、通常、第2四半期会計期間の売上高が他の四半期会計期間における売上高に比べて高くなる傾向にあります。
季節の需要変動があり、第2四半期に売上が伸長するため、
業績の修正はないとのことですが、
売上高の項目でシュミレーションしたように、
現状の力ですと通期の業績は37億円。
会社予想の63億円と大きく乖離しており、挽回は難しいと思われますので、
近日中に修正が発表されると予想します。
3.継続企業の前提に関する重要事象等むしろつかなかったのが不思議なくらいです。
【ミンチの考察】
・費用の削減の余地はほとんどなく、赤字の止血のためには売上の伸長しかない。①方法1:店舗数の増加
・新規出店を大量にしない限りは売上の業績予想を達成することは困難か?しかし現在の乏しい手元現金事情からは難しい。
②方法2:1店舗あたりの売上拡大
・幸いにも1店舗あたりの売上高は回復基調にある。地道にお店の認知度向上・リピーター獲得に注力していけば光が見える。
③方法3:原価率の改善
・セール販売以外での広告宣伝方法はないのか?原価率が改善すれば赤字幅も減らせる。
以上、私の主観に基づいた感想でした。
みなさんのご感想お待ちしております◎
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UU数/PV数
2014年
10月 96 / 655
11月 1,025 / 5,909
12月 4,010 / 12,838
2015年
1月 3,948 / 16,299
2月 3,475 / 13,577
3月 4,024/ 14,449
4月 7,336/ 27,927
5月 13,111/ 28,947
6月 7,907/ 20,664
7月 6,182/ 17,149
8月 5,890/ 14,447
9月 4,549/ 11,257
10月 4,066/ 10,604
11月 4,068/ 10,416
12月 4,401/ 12,138
2016年
1月 4,284 / 12,379
2月 22,155 / 54,237
3月 5,724 / 11,698
4月 3,340 / 6,706
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会社の無理な要求にも耐え、理不尽な配置転換も我慢してくれた社員を非情に
切ることが出来るかどうか?切らなければ潰れますから、やむをえない選択です。
経営失敗であることを素直に認め、久岡社長も役員から退くことで落とし前をつけるしかないでしょう。
本社人員は19人にスリム化しているとされていますが、アクサスからの出向を含めた人員なんでしょうか?出向を含めていなければスリム化されてませんし、出向を含めて19人なら業務の引継ぎが出来ていないでしょう。後者なら、業務管理は酷い状況で店舗経営などまともに出来ていないと思われます。